「この街を追い出されて2年か…だが、成長させてもらった。
賢く… 速くなった!」
冒頭で主人公チェイス・マケインの放つセリフがコレである。
チェイスが街を追い出されていたことは分かるが、何が速くなったのかはサッパリだよ!w
こういうノリ+いろんな映画のオマージュ、そして下ネタ満載のユーモア(アメリカンジョーク?)が混在している街が、そう
”レゴシティ” なのだ!
というわけで
WiiU
「レゴシティアンダーカバー」をプレイし終えた感想なんかをちらほら。
【レゴシティアンダーカバーについて】
いわゆる箱庭系ゲームのRPG。(箱庭にはシミュレーションの意味もあるけど)
パッと見てグランドセフトオートにすごく似ているが、実際やってみるとアクション主体の謎解きゲームで、様々な能力をアンロックしつつストーリーと探索エリアを広めていく。
他のゲームの例を出すと「ゼルダの伝説」や「メトロイド」に近いジャンルと言えるだろう。
(ちなみに、3DSにはLego City Undercover: The Chase Beginsというタイトルで、WiiU版の2年前の出来事を描いた作品もある。 だが日本では未発売)
【ストーリー&世界観】
刑務所から脱獄した凶悪犯「レックス・フューリー」を再逮捕するため、レゴシティの市長はかつてレックス逮捕に貢献した「チェイス・マケイン」を呼び戻す。
ちょっと頼りない後輩「フランク・ハニー」やかつての恋人「ナタリア」など、ストーリーをひっかきまわす役目の主役たち、そしてどこかすっとぼけた感のあるレゴシティ住民のみなさんに、
もしかしたらこの街で一番まともなのは悪人なんじゃ? と思わせてくれる悪党の方々。
彼らの活躍?によってレゴシティ独特の「底抜けに明るい感じ」が表現されていて、これが自分にとってモチベーションを高めてくれる大きな要素だったと思う。
ニクめないキャラが魅力のレゴシティの登場人物たち。そしてよく考え付くなぁと思うほどにちりばめられたジョークの数々。
言葉遊びを使ったあるあるネタから、
真剣に考えても何が面白かったのか分からないものまで多様にあるので、シナリオをまんべんなく楽しみたいというキモチにさせてくれる。
それがまたしつこく感じさせないキャラづくり(街づくり?)がさきほど書いたとおり、レゴシティの魅力。
【システム】
プレイヤーは様々な職業に変装することで、その職業のスキルを使いこなすことができるようになる。
デフォルトの服装だけでなく、探索で手に入れたキャラクターに変装したり、自分でパーツをカスタマイズすることもできる。
このあたりはLEGOらしい楽しみが疑似体験できるし、世界観と合っていて良いと思う。
【アクション】
リアルさを押し出しがちな洋ゲー&箱庭ゲーにおいて、珍しく
操作性の軽やかなアクションが楽しめる。ジャンプ中の機動変化は当たり前、今の行動をキャンセルして次にやりたいアクションをすぐ取れるなど、遊びやすさにおいては日本製のゲームをも凌駕するかもしれない。
特に3Dタイプのゲームでありがちな「狭い一本道」や「連続する飛び石ジャンプ」など
難しいアクションにガイド(補助)をつけることで、無駄な失敗というストレスを減らしつつ、誰でも気楽にアクションシーンを楽しめる。(アクションそのものはこのゲームにおいて挑戦するべきところではなく、アクションの先にある探索と発見こそが本質だろう)
アクションする対象との距離や位置関係で自動的にアクションが変わるのもプレイしやすいと思う。
しかし、惜しいことにクルマ関係はまだどこか不自由さが残っている。
クルマが壁や角にぶつかれば止まるのは当たり前だが、そこをヌルっとはじかれるようになってくれていれば、移動における楽しさというのはまた格別だったはず。
破壊可能なレゴブロックでできた物体と、破壊不能な物体が近くに置かれていると判別しづらいのはもったいない調整だった。
クルマはジャンプという動作もあるが、かなり低いジャンプでそれほどアクションとしては役に立たないし、レスポンスが悪いためタイミングよく使用するのも難しいというバランスだった。
(飛び越えられない・昇れないところをムリヤリ昇るとか、そういう裏技的な使い方には役立ってくれるが…)クルマのアクションが自由すぎると、開発者の意図しないルートができたりするのでこれは仕方のないことかもしれない。
歩行状態が軽やかすぎて、相対的にクルマがぎこちない・・・という視点もある。
(ちなみに、
歩行と同じように動けて、なおかつジャンプも使いやすい「ブタ」と「ポニー」という最強のクルマ?もある。 足がクルマより速かったら・・・と2,3回は考えたことがある)
この街のブタは空だって飛ブー。【WiiUならでは】
最近のゲームにはよくある、主観視点でスキャンしたりする例のアレ。
レゴシティにもあるんですが、
これちゃんと体をひねったりのけぞったりしてゲームパッドを動かせば、天地反転させて覗き込むこともできちゃいます。(子どものころ、無駄に逆立ちして空を足元に見た思い出が・・・)
空間をダイレクトに使える感じはちょっと楽しかったですw
もちろん、GamePadはサブモニタとしても顕在で、MAPや進行状況・ヒントなどを常に表示してくれるのは便利っちゃ便利。
ただ、Pauseをかけたときにこのサブモニタを活用できなくなるというのはとても残念な仕様だ。
【やりこみ・探索】
なんといっても用意された探索要素の数がハンパない。
記録されるだけでも450個ものフラグがあなたをお待ちかね。
やり込みといっても、
ありがちなループし続けるだけの単純作業ではなく、そこだけに用意されたお宝がある。 これはなにげにすごいなと思う。
MAPやコレクションを埋めることに喜びを感じるなら、ストーリー本編よりも熱中するかも。
それをしたくなるだけの魅力がレゴシティにはあるはず。
【表現の曲げ方】
グランドセフトオートでよくあるクルマ泥棒や殺人に値するものがこのゲームでは柔らかい表現に置き換えられている。
プレイヤーは警察官なので、クルマは奪うのではなく”借りる”。
強盗ミッションなどは潜入捜査ということで、”危険な任務”扱いだったりする。
国家権力パネェ・・・!殺人表現もたんにレゴブロックがバラバラになるだけという意味合いが強い。
シチュエーションによっては、
水や炎の中に敵をつっこませてもバラバラになるだけだったりする。
・・・なんかGTAよりもエグイやっつけかたしてねーか? レゴシティ法第2条補足、場合によっては容疑者を抹殺することも許される!【裏技・バグ技】
レゴシティの隠された魅力の一つがこれ。
アクション主体のゲームであるため、
2段ジャンプやスキルを駆使してショートカットを作ったり、いっけんたどり着けそうにもない高所にも上れたりする。また、それらを受け入れてくれるレゴシティのレベルデザイン(MAPや判定の配置)が秀逸。
バルコニーや建物から突き出た煙突、キャットウォーク的なものまでちゃんと足場になってくれる。
エリアにハマって動けなくなってしまうことも稀にあるが、PAUSEメニューやGamePad上から他の場所へワープすることも可能なので、ゲーム進行が止まるということはほとんどない。
ショートカットした場合でも、トビラのカギのようなもの(ダイナマイトを使える場所など)は重要なイベントをこなさないと出てこないなど、保険もちゃんとかけてある。
まるでリアルの木登りのように、どうやったら上にいけるか? みたいな想像と挑戦の楽しさが味わえる。
そのままの意味で*サンドボックスタイプのゲームとしても遊べちゃう柔軟さもあったりするのだ。
*サンドボックス(砂遊びなどの意で、楽しみ方・攻略の仕方をプレイヤーの自由に任せるゲーム性を指す)
いろいろなトラブルだってレゴシティ!【気になるところ】
・
20.3GB以上の空き容量のある内蔵ストレージか、外付けHDDがないとダウンロード版がDLできない。
WiiUではプレミアムセット版でないと内蔵ストレージが足りない。
ベーシックセットの場合は外付けHDDを買うか、パッケージ版にしよう。
・レゴシティはフィールドに出るときに50秒前後の読み込み時間がある。
正直、じっと待ってはいられない長さなのでヒマつぶしアイテムが欲しくなるし、近くにお菓子でもあればつい手が伸びてしまうだろう。
・音量の細かい調整やカメラ速度などの設定ができない。
コンフィグ面では少しユーザーフレンドリーさが無いかなぁ。
・オートセーブオンリーで任意セーブやデータコピーがない。
これはフツーにプレイする範囲の人ならほとんど問題ないと思う。
調査したいときにこれだとチャンスが一回しかなかったりするので個人的にはつらい。
これぐらいかなぁ。
プレイそのものにはあまり関係ないところばかりで、ある意味すごいのかも。
【まとめ】
カワイイキャラクターたちが織り成すドタバタストーリーで大いにアクションを満喫できる。
現時点ではWiiUにはそういったゲームは少ないので、もしWiiUを所持しているのならオススメしたい一本だ。
GTAが肌に合わないから、違う方向性の箱庭ゲーやりたいって大人にも。 お子さんとだって遊べるソフトなはず。
レゴシティは誰でも歓迎してくれる・・・かもここまで長いレビューを読んでくれた方には感謝。 これ、いいゲームだぜ、、、
1. 無題