放射線漏れによる影響によって変異した声帯虫とボルバキア。
オスをメス化して繁殖を抑えていたはずが、放射線による影響で延々とコピーを作り出すようになってしまったのだ。
言語を介さずに増えるとなればもはや凶悪な殺人ウィルスにほかならない。
そして声帯虫は宿主の意思を操り、外に出て鳥に啄ばまれようとしていた!
これが世界に散れば人類にとって甚大な被害をもたらすのは想像に難くない。
しかし、研究員の一人が寄生虫の影響を真っ先に受けながらもそれに耐え、すんでのところで感染者を見分ける暗視ゴーグルを調整してくれていた。
彼もまたこの場所と世界を救った英雄だ次々と外を求めて駆け上がる仲間達、スネークは非情に徹して彼らを抹殺することを決意する。
最終的に研究棟内すべてのスタッフが感染していることが判明し、誰一人救うことはできなかった。
下層の一室でMGSPWのテーマを全員が歌うシーンは、PW経験者にとってクライマックスとなるだろう。最初に感染を確認したスタッフを射殺したときはGAMEOVERになってしまい面食らったが、不思議なことに、このときはさほど悲痛な思いは無かった。
ところが屋上のイベントから先は同じように射殺しているのにすごく悲しくなった。
これが演出というものなのだろうか。
(でもやっぱ最初のGAME OVERのワナは意図的に配置したとは思えないが)
リアルタイムデモによってカットシーンを見せることが多いMGSだが、下層のシーンではひさしぶりにプレイヤーに自由に操作をさせながらも、ほぼカットシーンのように魅力的な演出を試みている。
(MGS3ではザ・ボスとの対決がこのシーンに近いものがあるが、あちらはプレイヤーの技量による演出の誤差が大きくなってしまうのが欠点だったと思う)
海外のゲームではわりとある演出だが、映画的なカットシーンとリアリティあるゲームプレイを切り分けていたMGSでは新鮮な感じがした。
さて、この回で重要だったのが、屋上近くのイベントでスネークが仲間殺しの口火を切ってくれたことだろうか。
いわばプレイヤーがビッグボス(演出)の意思に従う形で仲間殺しを決意できるようにしたのではないだろうか。
スネークの『許せ』はプレイヤーの良心の呵責を少しやわらげてくれた気がする。そして仲間の灰をダイアモンドに変え、ともに在ろうと決意するスネーク。
あんたこそがBIGBOSSだ!ちなみにスタッフを射殺しているときにスネークを非難し続け
「あんがたみんなを灰にしたんだ!」と声高に叫んでいたヒューイだが・・・
おまえのせいでボルバキアが変異してんじゃねーか!しかもサイファーとの密約だとぉ・・・さんざ仲間仲間といいながら自分ひとりの保身に走り、マザーベースを危機に陥らせるとは・・・。
やはりこいつがストレンジラブを閉じ込めたのではなかろうか。
今回は証拠もあるし、これからどうなるか注目だ。