大人の目を盗んで戦地へと舞い戻った少年たち。
少年兵として戦うことを選んだのか、または故郷が恋しくなったのか。
ミラーからの依頼でダイアモンド・ドッグズへ連れ戻すことになったのだが、ことの発端はやはりイーラィだったらしい。
しかもマザーベースで武装蜂起する予定なのだとか。 あえて情報をもらす理由はいったい?
少年達に情愛をそそいでいたカズヒラだったが、その実は『かつて大人たちに見捨てられたことへの報復』であったことを認識する。
子どものころにもっとマシな大人がいれば人生が変わっていたかもしれない。
それを確かめるべく『イイ大人』をやっていたつもりだったが、脱走した元少年兵たちにとっては、少年時代のカズヒラを放置した大人と大して変わらなかったようだ。
個人的にこのシナリオはMGSらしさもあって面白いと思う。
さてカセットテープのほうでは、コードトーカーいわく「言語を失えば記憶や情念も失われる」らしい。
英語に比肩される言語の民族浄化虫を使えば思想が画一化され、サイファーにとっては統治しやすい世界になるとのこと。
たしかに、自分も日本語以外を母語とする人と話すときは、言葉が通じにくい以上に根本的なところで考え方の違いを感じることもある。 それは言語からきた文化の違いなのか、はたまた逆か。
そして声帯虫は大昔に人類の咽頭を操り、音を出させて交尾の機会を得ていた。
つまりはオスの魅力的な『声』にメスが惹かれるという自然界や人間でもよくあるハナシだ。
たしかに、イイ声の持ち主って外見がイケてるのと同じで能力が高そうに感じるもんなぁ・・・。
世の中不条理このうえないぜ、まったく。
#43 異形の調査報告&終わり無き代理戦争スカルフェイスの亡霊、終わりの見えない戦争。 戦いはまだまだ続く。元少年兵たちの目的は『報復』だった。
イーラィは彼らの手助けを行い、そしてダイアモンド・ドッグズから脱け出る計画を立てていた。
スネークたちに連れ戻されたら世界と戦う覚悟を決めろと。
そして『宙に浮く少年』の協力によって大脱走は実行に移される。
鎮座していたはずのサヘラントロプスを駆り、ヘリのパイロットごとマザーベースを離れる少年たち。
彼らの行方はつかめないまま、非情にもマザーベースの日常は続く。